FMC Advent Calendar 9日目 / Domino Reduction にわかによる解説と失敗例

この記事はFMC Advent Calendar 2019 の9日目の記事です。

8日目はmorooka_cubeさんの FMC Advent Calendar 2019 8日目 – 人間だけどEOファーストでsub30安定したい! | morooka.me でした。

10日目はにこたまさんの FMC Advent Calendar 2019 10日目 : にこたまはこう言った です。

自己紹介

妻子ある40歳のおっさんです。2013年よりしゅうむらさんの動画に影響を受けてスピードキューブを始めました。両手20秒片手35秒くらいのへなちょこです。そんな中でも、FMCはわりと得意な方らしく、Tribox Contestでもシーズンランキング4位ぐらいだったこともありました。今回はそんな私のFMC人生を狂わせたDomino Reductionにてアドカレ初参戦させていただきます。

スクランブル

R' U' F L D B' R2 D2 U2 R2 F L2 F' D2 F' L' R' U B' L2 B L D2 R' U' F

動画


FMC Advent Calendar #9

方針

Domino Reduction 縛りで行うことにしました。

Domino Reduction とは?

キューブを R2, L2, F2, B2, U, D だけで解ける状態に持っていくことです。

この状態になったときの特徴として、U面とD面が Square-1 のように白と黄色とか、青と緑のように対面の関係にある2色だけになるというのがあります。

DNFするまで

※以下、キューブの図は、手順を回す前の状態になっているので、適宜再生ボタンを押して手順を確認してください

0:00 COがやたら揃っているな?

Domino Reduction においては、最終的にCO(Corner Orientation)を揃えなければいけません。簡単に言うと、すべてのコーナーが上か下を向いている状況です(伝われ)。本スクランブルにおいては、ひと目見て多くのコーナーのCOが揃っているので、CO を先に揃える手法を検討しました。

ここではひっくり返してSuneを回してCOを直しています(本当は5手くらいでできる)。

しかしこのとき緑正面でも赤正面でも6EOで、COを保ったままこれを直すのは私には無理だと判断して却下しました。後にわかったのですが、こういうときはRouxのLSEの要領でEOを直すのがいいらしい。

0:03 諦めて素直にEOから開始

Domino Reductionも通常はEO(Edge Orientation)を揃えることから始めます。EOの数え方は1つのスクランブルに対して、正面と背面を1組として、3通り存在するのですが、どこから見ても私の嫌いな6EOだったので(最低でも5手かかるのちに少なくとも3手で揃えることができるパターンがあることに気づきました)、まず下記のEOから始めました。青正面です。

6EOは、通常3つずつ処理します。青正面にすると、すでにEOしている(EOが揃ってないことをこのように言ったりする)エッジが3つ青面にあるので、そのままBでEOを3つ直します。こうするとEOが3つ直って新たに1つ崩れるので、崩れたエッジと残った3つのEOしてるエッジを青面に集めてさらにBなどしてEO解消です。

Domino Reductionにおいて、EOをしたあとにチェックすべきはCOとBad Edgeです(この辺の用語は A Domino Reduction Guide - Google ドライブ を参考にしています)。Domino Reductionが完了するためには、E LayerにUD面のエッジが入っていてはいけません。もし入っていた場合、これをBad Edgeと呼びます。また、COもすべて揃っていなければなりません。基本的に、CO(が揃っていない)もBad Edgeも少ないほどいいです。

上記のEO手順が完了したあとのキューブを見てみましょう。UD面の候補は、白黄または赤橙です。白黄で見ると、COは7つ、Bad Edgeは4つです。赤橙で見ると、COは6つ、Bad Edgeは3つで、いずれも良くありません。

COもBad Edgeも0、つまりDomino Reductionが完了した状態に1発でたどり着くことはまずありません。その前段階として、DR Triggerという状態があります。その状態に持っていくには、下記の組み合わせのときがチャンスです。

  • CO3, Bad Edge1
  • CO4, Bad Edge1
  • CO4, Bad Edge2
  • CO0, Bad Edge2

4つ目は厳密にはTriggerではありませんが、PDR(Partial Domino Reduction)と呼ばれる状態の一つで、比較的少ない手数で解消できる組み合わせになります。

0:18 最終的に落ち着いたEO

赤正面、D' F R' D2 B' U R です。動画を見るとわかりますが、ここまでの時間のロスがDNFの一因と思われます。

UD面を青緑面として確認すると、CO2、Bad Edge2で、上記の良いパターンには惜しくも当てはまりません。こういった場合、私は数手の操作を追加して良いパターンに持っていくことが多いです。

ここでは U' B U の操作をすることで、CO3, Bad Edge1のパターンに持っていきました。

この良いパターンになれば、あとはDR Triggerに持っていくだけです。

0:20 DR Trigger そして DR完成

DR Triggerとは?

揃ったキューブに対して、U B U' と回してみてください。以下の形になるはずです。

当然ながら、この状態からU B' U' と回すと、揃います。これがDR Triggerの基礎になります。

U B U' を回したキューブは、橙F面青U面として見ると、CO3、Bad Edge1の、良い形になっています。逆に言うと、CO3、Bad Edge1の形になったら、FBRL面に相当する面は180度に限定して回すことで、COとBad Edgeの数を変えずに、上記の形、すなわちDR Triggerに持っていくのです。この際、青と緑は区別しません。

ここでは、D2 B F2 を回すことでDR Triggerに持っていきました。

あとはU B' U' を回せば、DRの完成です!

まとめると、

D' F R' D2 B' U R // EO
U' B U // 3CO1BE
D2 B F2 // DR Trigger
U B' U' // DR

の16手でDRです。

さて、ここから先は私にとっては運ゲーとなります。基本的な方針としては、UD面に222やペアを作っていく感じです。

0:24 25手4E3c2c

4E3c2cとは、中段エッジが4つ揃っておらず、1つのサイクルを形成している他、コーナーが5つ揃っておらず、3個で1サイクル、2個で1サイクルしている状態です。こんなインサートできる気がしないので却下です。

0:26 20手3E2e6c

手数は少なめですが、2e6cとかどうやって解消するのかわからないので却下。まだ時間はあるので他を探します。

0:43 25手2E2c3c

ここまで随分時間がかかっていますが、ブロックビルディングから一旦離れ、コーナーを揃えることを検討していました。というのも、DRはエッジインサートの方がキャンセルが多く発生するようなのです。しかし、未だいい感じのエッジのみのスケルトンに出会ったことがありません…コーナー揃えるの苦手…

結局、2E2c3cという比較的私にもできそうなインサートのスケルトンで腹を決めました。残り17分、果たして成功するのか…

1:00 インサート時間切れにてDNF

途中Nパームをインサートしようとしたりしてかなりテンパりましたが、無事DNFに終わりました。

まとめと反省

今回DNFになった原因を分析してみます。

  • EOに時間かかりすぎ
  • DRまでに手数かかりすぎ
  • DRになってからの方針が決まってない
  • インサート力のなさ

たとえインサートがうまくいったとしても、40手は切れなかったでしょう。

自分の実力がDRにはまだ早すぎることはわかっています。でも、可能性を感じるので今後も引き続き挑戦していきたいと思います。

おまけ

スクラブル2: R' U' F B R2 U' L' B U' B2 D L B2 L2 F U2 F' U2 D2 R2 F U2 F' L2 R' U' F

    (F L F' D' B' R) // EO (6/6)
    (F U B2 U2 F2 L2 D' B D2 B) // DR (10/16)
    (D2 F2 B2 D2 U' B2 D) // 3c3e (7/23)

これもインサート間に合いませんでしたが、続けてやったら34手になりました。